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渚カヲル養成計画プレイ記①





今年に入ってから、ゲームをToHeart2以外碌に遊んでいないという
事実に気付き、軽く悶絶。
ハートフルなギャルゲーに漬かり、何時しか管理人の牙は欠け、
その硬派性は失われつつあった。元から無いとか言わない!




これは、少々毒抜きが必要であろう。
というかいい加減他のゲームも遊びたい。

と、云う訳で牙を研ぎなおす意味も含めての、短期集中ゲームプレイ記を
ブログにて実施してみようと思う今日この頃。

短期集中にピッタリの短さで、
尚且つ女にうつつを抜かさないゲームが条件だ。
時勢に合うならば、なお良しッ!!

と考えていた時に、偶然にも某氏が早まった真似をしてしまい、
林ふみの先生の新刊が発売され、
墓標で天さんの投稿イラストを拝見した。

これは、女にうつつをぬかす位ならば、これを遊べという啓示に違いない。
今、全ての歯車が噛みあった。





「碇シンジ育成計画」を最後まで終えると、
二巡目以降、カヲル編で遊ぶこともできるようになります。
カヲル編では、赤木リツコになってカヲルを育成します。

リツコに与えられた目的は、カヲルをシンジに急接近させ、
シンジをゼーレの思うがままに操れるようにすること。
シンジの心をとりこにするためには、シンジとできるだけ一緒に過ごすのがポイント。
そこでシンジに高い能力を見せ、尊敬を勝ち取りましょう。

カヲル編が始まるのは3月3日。エンディングまでの4週間に、
見事、シンジの愛を勝ち取ることができるか?!



女にうつつをぬかす位ならば、男にうつつをぬかす。
え、それは毒抜きとも硬派とも違う?
いや、もうはじめちゃったもん。しょうがないよ。('A`) ←人の意見を聞かない

なお、このプレイ記は既に当サイトの完結コンテンツである
碇シンジ育成計画プレイ記を見ていて、
尚且つネタバレ上等という少数派を対象にお送り致します。

何時も通りのモロバレプレイ記なので、この先を読まれる方は、
そこのトコロは十分認識の上、先に進んでいただきたい。

OKですか?


では



こいやァァァッ!




西暦2016年 2月

某所



「・・・遂に、第16の『使徒』までを倒した」

「『死海文書』に記述されている『使徒』は、あとひとつ」

「・・・約束の時は、近い。
その道程は長く、犠牲も大きかったが」

「左様。ロンギヌスの槍に続き、エヴァ零号機の損失」

「碇の解任には、充分過ぎる理由だな」

「・・・冬月を無事に返した理由の解らぬ男でもあるまいに」

「新たな人柱が必要ですな。碇に対する」

「・・・そして





ーーーーー全てを知る者が、だ。」











ゼーレ委員会の前に立つのは、赤木リツコ女史。

・・・物語は、原作、第弐拾参話の終わりに相当する。
碇シンジ育成計画プレイ記においては、拾七話が分岐点。
原作通りに話が展開した場合、フォースチルドレンは、鈴原トウジ。
葛藤の末にエヴァ参号機に乗り込むトウジだったが、
心の隙間をなにかに侵食されーーー暴走。

第13「使徒」と認定され、搭乗者がトウジと知らされぬまま、
シンジ達に第13「使徒」殲滅指令が下される。
同世代の子供が乗るエヴァを攻撃する事をためらうシンジだったが、
破壊直前まで追い込まれた初号機までも暴走し、結果、参号機は大破。

トウジは一命を取り留めたものの、意識不明の重体だった。



父、ゲンドウの冷徹さに怒り、シンジは一度はEVAを降りる。
だが、襲来した第14使徒の圧倒的な力に街が、NERV本部が、
アスカ、綾波の乗るエヴァが成すすべなく蹂躙される。
偶然居合わせた加持に背中を押され、シンジは決意を新たに再度初号機に乗り込んだ。

ーーーだが、この時、既に父と子は、けして相容れない所まで来ていた。



アスカは、異常なまでのシンクロ率低下により、戦線を退く。
脳裏に浮かぶのは、母に拒絶された、幼き日の残酷な記憶。
自らの存在意義を求めてNERVに、エヴァに乗り込んでいた彼女だったが、
NERVでの存在意義すら失い、彼女の心は砕け散った。



綾波は、使徒迎撃に出撃し、逆に使徒に肉体と精神を侵食される。
委員会の凍結命令を破り、初号機を出撃させるゲンドウ。
だが、シンジまでも使徒に侵食されかけたとき、綾波は
自分自身の意思でもって、その身をもって使徒を退けた。

ーーーエヴァンゲリオン零号機と、己の全てを擲って。
この時の綾波は、「二人目」の綾波だった。


次々に消えていく、仲間。友達。
壊れていく、第三新東京市。

シンジの心は、例えようの無い孤独感に包まれ始めていた。


一方、ネルフ本部とゼーレとの確執も徐々に表層化していた。
人類補完計画を推し進めようとするゼーレだったが、
指令である碇ゲンドウは、少しづつ、ゼーレの、委員会老人達の思惑から外れてゆく。

度重なる、命令違反。
真意の読めぬ、碇ゲンドウの態度。

思惑通りにならぬ碇の態度に、老人達の苛立ちは、もはや限界に達していた。




「我々も、穏便に事を進めたい。
きみにこれ以上、辛い思いをさせたくはないのだ。」



「私は、何の屈辱も感じていません」

委員会の招集・・・いや、尋問同然の行為に、毅然とした表情のまま立ち尽くす赤木博士。
老人達の尋問に、屈する事は無い。
だが、今の状況がNERVにとって・・・碇ゲンドウにとって
良くない状況なのは、想像に易い。

赤木博士は、黙って老人達の言葉に耳を傾ける他はなかった。


「問題なのは、エヴァ。
・・・特に、初号機とそのパイロットが、碇の手にある事だ」

「力をもって粛清するというプランもある」

「・・・だが、性急に事を荒立てるのは危険だ。
あれらが碇の手の内に有る限り、我々の補完計画まで頓挫する恐れがある」



「・・・そこで、最終手段をとる前に、穏便な手を試みることにする。
きみはそれに協力してくれればいい」



「私に、何をしろとおっしゃるのですか!?」

力での粛清・・・「最終手段」という脅しを盾に、赤木博士に協力を要請するゼーレ。
逆らう事は、NERV組織自体の崩壊・・・ひいては、碇ゲンドウの崩壊に繋がる。
碇に想いを寄せる赤木リツコにとって、それだけは避けるべき事態。

ゲンドウの身を案じるものの、委員会に逆らう事も出来ない。
赤木リツコの心中で、ゲンドウの身と、委員会の思惑が天秤で量られる。

「・・・エヴァのパイロット、シンジとかいったか。
彼をある人物に誘惑させ、碇から引き離す」

「きみには、その人物の教育を担当してもらおう。
・・・いでよ、渚カヲル」






「まさか・・・・・男の子?」

目の前に現われた少年に、思わず声を上げる赤木リツコ。
誘惑する、と言われて、まさか少年が出てくるとは思わなかったようだ。


「アナタが赤木博士ですね?はじめまして。
僕はフィフス・チルドレン・・・・・・渚カヲルです」

そういって、微笑を讃える少年、渚カヲル。
フィフス・チルドレン。エヴァに搭乗出来る潜在能力を秘めた一人。

なお、シンジ育成プレイ記では、ちゃっかりフォース・チルドレンに割り込んだ
眼鏡が居たが、当然ココでは原作同様、そんな図々しい真似は許されていない。



今度こそさようなら、相田ケンスケ。




「先に言ったとおり、目的はあくまで、
サード・チルドレン碇シンジを、このカヲルの虜にすることにある。


カヲルとシンジの接触する時間が増えれば、それだけ親密になれる。
渚カヲルという少年には、そう出来る能力が備わっているらしい。

「サード・チルドレンのスケジュールは、
NERVのデーターベースに登録されているはずだな。
日曜日に『調査』を行い、ハッキングして調べたまえ。」



「はたして、あの葛城三佐がきちんとスケジュールを
入力しておいてくれるかどうか・・・・・・」


葛城ミサトとも親交のある赤木リツコにとっては、
ハッキングよりもむしろそちらの方が疑わしい。
どういう意味か?と問い返す委員会に、リツコは言ったとおりの意味ですとため息をついた。




渚カヲルの色気を、重点的に鍛えなさい。
そうでなくては、目的の達成はおぼつくまいて」

「目標より優れた能力を獲得させることだな。
自分より劣るものに、誰も惹かれはしない」

「無理は禁物だ。我々の渚カヲルが病気になることはないが、
ストレスが蓄積すれば、学習効率は下がる。」



「病気にならないということは・・・・・・まさか!?」



「詮索は、その辺にしたまえ、赤木博士。
職務を全うすれば、その問いの答えは自然と導き出されるだろう」


詮索に、すぐさま釘を刺す委員会の老人達。
彼らの与えてきた期間は、1ヶ月。
これを超えれば、ゲンドウの、NERVの粛清は避けようが無い。

我々も、そのような事態は望んではいない。
ーーーーあくまで、今のところは。

そう呟いた委員会の老人達の声は、何処までも冷徹だった。
先程まで、親切すぎるほどハウ・トゥー・プレイを語っていたとはとても思えない。
ココに至るまでには、最低一度はシンジ育成をクリアしているユーザー相手にすら
ハウ・トゥー・プレイを徹底するのは大したもの。

もっとも、そのハウ・トゥー・プレイが男の色気をあげて男を口説けという
アブノーマル極まりない内容ではあるのだが・・・
表現を一歩間違えると変態日記になってしまう恐れもある。



「真の人類補完計画の成就は、君の手にかかっている。
全力を尽くしたまえ」



「・・・・・・わかりました」


「よろしく、赤木博士」

ゲンドウの身を守るため、ゲンドウにとって不利益になる事を行わなくてはならない。
赤木博士の複雑な心中を他所に、渚カヲルは穏やかな笑みを讃えていた。

<続く>




注:土矛さんは、至ってノーマルです。の、ノーマルなんだってば!

ドラマチック育成ゲーム 新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画
開発・制作 : GAINAX
by tutihoko | 2005-03-13 00:00 | 渚カヲル養成計画プレイ記


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